最近耳にすることの多くなった「SDGs」という言葉ですが、これは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略です。レインボーカラーのバッヂをつけている方もよく目にするようになりました。
これは産業革命以降急激に活発化した人間活動により、経済・社会の基盤である地球の持続可能性が危ぶまれていることから、より環境に配慮して経済・社会活動を行っていくための目標です。
産廃処理業・収集運搬業を行うにあたっても廃棄物を適切に処理することはもちろん、環境に配慮して循環型社会の実現を目指した事業活動が求められるようになってきました。産業廃棄物処理業が環境に与えるリスクとしては、焼却処理による大気汚染や、不法投棄による土壌・水質汚染の問題が挙げられます。
環境に配慮した取り組みの具体例
- 技術革新によりこれまで以上に廃棄物を分別し、再資源化を行う。
- 運搬に使う車両をより環境に配慮したものにすることによって排出する二酸化炭素を削減する。
- 中間処理施設でこれまで以上に廃棄物を圧縮することにより運搬のコストを削減し、排出する二酸化炭素を削減する。
- ISOの取得などによってより働く環境を改善し、従業員安全かつ健康に働けるように努める。
- プラスチックごみを適切に処理することにより海洋汚染問題に取り組む。
優良産廃処理業者認定制度
環境問題への取り組みを進めるため通常の許可基準よりも厳しい基準に適合した優良な産廃処理業者を、都道府県・政令市が審査して認定する制度です。優良産廃処理業者に認定されると以下のようなメリットを受けられます。
- 許可証等を活用したPR
- 産業廃棄物処理業の許可の有効期間の延長
- 申請時の添付書類の一部省略(自治体の判断によります。)
- 財政投融資における優遇
- 環境配慮契約法に基づき国等が行う産業廃棄物の処理に係る契約での有利な取扱い
優良産廃処理業者認定制度における認定を受けるためには、以下の基準に適合することが必要です。
- 遵法性
- 事業の透明性
- 環境配慮の取組
- 電子マニフェスト
- 財務体質の健全性
ポイント
環境に配慮した取り組みを行うことにより従来よりも産業廃棄物の収集運搬や処理にコストがかかってしまうことも少なくありません。取り組んだ業者が認定を受けることによりメリットがある様にすることで、環境問題に取り組む業者が増えていくといいと思います。また、排出事業者が処理業者を選ぶ際にも指標になっていってほしいと思います。