産業廃棄物の品目

令和3年の改正点 石綿含有産業廃棄物に汚泥が追加

令和3年3月に環境省は「石綿含有産業廃棄物等処理マニュアル」を改訂し、それに応じて各都道府県では廃石綿と石綿含有産業廃棄物の取り扱いを一部変更しています。

「廃石綿」は特別管理産業廃棄物に該当し、一般の産業廃棄物収集運搬業者は運ぶことができません。これに対して、「石綿含有産業廃棄物」は特別管理産業廃棄物ではないため、フレコンバッグやドラム缶などの専用の容器を準備すれば、一般の産業廃棄物収集運搬業者でも運ぶことができます。

石綿含有産業廃棄物の品目に「汚泥」が追加

石綿含有産業廃棄物の品目

  • 廃プラスチック類
  • ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず
  • がれき類
  • 汚泥←追加

石綿は高い断熱・保温効果があるため、建築現場ではもともと建築材料に直接石綿を含んだ塗材を吹き付ける工法が多く採用されていました。

この工法に使用されていた仕上げ用の塗材は、従来は「廃石綿」として取り扱われていましたが、今回の改正で「石綿含有産業廃棄物」の「汚泥」に該当することになりました。

これにより従来から汚泥を取り扱っていた収集運搬業者で、今後石綿含有の仕上げ用塗材を収集運搬する意思のある業者は、原則変更申請しないでもこれを取り扱えるようになります。

収集運搬する際の注意点

仕上げ用塗材はペンキのような性質のものですので、そのままでは運べません。また、簡易な袋ですと漏れてしまう危険性があるため、耐水性のプラスチック袋等で二重に梱包する必要があります。また、捨てる前に固化材等を使って安定化することが望ましいとされています。

申請先ごとの取扱いの違い

東京都、埼玉県、神奈川県の場合

もともと石綿含有産業廃棄物を含む許可を有しており、汚泥を取り扱っていた業者は更新申請の際に石綿含有産業廃棄物を含む汚泥の取扱いができるようになります。※容器の写真を添付する必要があります。

千葉県の場合

もともと特別管理産業廃棄物の「廃石綿」と普通産業廃棄物の「汚泥」の許可を有していなければ石綿含有産業廃棄物を含む汚泥の取り扱いをすることはできません。必ず変更許可申請をする必要があります。

ポイント

変更許可申請をしないでも石綿含有産業廃棄物を含む汚泥を取り扱える場合があります。更新申請をする前に各自治体のルールを確認しましょう。

 

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